研究概要 |
22年度は,研究のさらなる深化を図るべく,岡山および堺市内の小学校において,新任教員および管理職教員が学級経営に対してどのような意識を持っているのかを,面談を通じて探ることが研究活動の主であった。 そうした中で,(1)校内のみならず保護者を巻き込んだ形の拡大型ピアサポート体制の構築には教員サイドの抵抗感が大きく,学校文化の持つ閉鎖性が浮き彫りになったことと,(2)文脈を学級経営に限定しなければ地域・保護者との連携にはさほど抵抗がないこと,そして(3)地域・保護者との連携は関連諸機関との協調とは別個に成立し得ることなどが明らかになった。 以上の点を踏まえて,まず校内におけるピアサポートの体制を実効性あるものにするべく,フォーマルな体制作りだけでなく,インフォーマルなコミュニケーションの機会を保障する手立ての開発が,新たな課題となることも併せて明らかとなった。 こうした知見は,代表者(中田)が刊行した『次世代の教職入門』にも生かされている。
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