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2009 年度 実績報告書

日本版トラッキングの国際比較研究-教育における共生と社会的公正の考察

研究課題

研究課題/領域番号 21530873
研究機関東京大学

研究代表者

恒吉 僚子  東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (50236931)

キーワード教育社会学 / 比較教育 / トラッキング / マイノリティ / 多文化教育
研究概要

いかなる家庭背景や属性等を持つ児童生徒がどのような教育の機会を持つかは、多くの国で民族や人種間格差、階層格差と結び付けられて教育の機会均等や文化的な多様性と社会的公正の問題として議論され、社会問題化してきた。本研究においては、こうした認識から、生徒の意識や選抜過程、実践やカリキュラム等の学校内のミクロなプロセスにマイノリティ視点、文化的多様性への視点を組み込みながら、「日本版トラッキング」の特徴を、国際比較を用いて相対化する。そして、マクロな枠組みとミクロな教育実践の両面からそれを浮き彫りにし、教育における文化的多様性と多文化共生、社会的公正をめぐる研究領域に、従来とは異なる角度から接近しようとするものである。
本研究の初年度にあたるH21年度は、当初の予定通り、アメリカにおける海外調査を行なった。アメリカにおけるトラッキング・能力別指導の問題は、就学人口の多様化、マイノリティの権利保障、不平等の再生産の問題と不可分に結び付いている。本年度の調査においては、ワシントン、ニューヨーク市、ボルティモア市という、それぞれの政策を掲げ、歴史的に異なる三都市の教育困難校、マイノリティ校の観察と関連する政策関係者のインタビューを行なった。そこにおけるトラッキング・能力別指導形態の多様性)、様々な学力対応・支援モデルの検討(例small schools、既成のDirect Instruction等)、多文化共生と平等の問題について初期分析を行なった。また、日本においては、対象小学校に対してアクション・リサーチ的に学力支援を行ないながら(大学院生も関与)、「日本版トラッキング」の様相とそのミクロレベルでの示唆、実践への提言の観点から、考察を行なってきた。次年度は上記児童を追って、中学校へも射程を広げる予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 『基礎学力を問う』「グローバル化社会における学力観」2009

    • 著者名/発表者名
      恒吉僚子(基礎学力研究開発センター)
    • 雑誌名

      東大出版協会

      ページ: 55-79

  • [雑誌論文] 「新たな日本の教育改革と'危機'論争」『世界から見た日本の教育』(リーディングス 日本の教育と社会)2009

    • 著者名/発表者名
      恒吉僚子(ラリーマクドナルド編)
    • 雑誌名

      日本図書センター 20

      ページ: 225-254

  • [学会発表] 「新生アメリカの教育改革」リンダ・ダーリング・ハモンズ特別招待講演、指定討論者。2009

    • 著者名/発表者名
      恒吉僚子
    • 学会等名
      日本教育学会(68回)
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2009-08-27
  • [図書] Tracking and Equity in the Japanese Educational Context2009

    • 著者名/発表者名
      Ryoko Tsuneyoshi
    • 総ページ数
      175
    • 出版者
      科研報告書

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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