本年度は大学教育経験者の意識変容についての研究成果を授業での実践に生かした。 1)意識変容のインタビュー調査・意識変容の概念化 日本人学生・短期交換留学プログラム留学生・社会人を含む約80名にインタビューを行い意識変容の研究を発展させた。昨年度の約80名へのインタビューを土台とし、概念化及びそのカテゴリー化を行いつつインタビューをさらに進めた。大学教育を体験した「人」の視点から大学と社会での体験が与える人生への多面的な影響と意識変容について体系的な分析を行った。 2)大学教育と社会を連携させた支援体制の構築 留学生・日本人学生・社会人へのインタビューから大学教育体験者が社会との接点を切望する現実とその重要性が認識できた。それに応えるべく、大学教育の理論的理解と国際社会での実践を結びつけるため、広島大学短期交換留学プログラム留学生向けに2003年度より開講している「HUSAインターンシップ」(HUSA=Hiroshima University Study Abroad Program)の授業を改善し、多様な学生間のインタラクションと学生の自主的かつグローバルな視野からの学びを促進した。「HUSA Internship I : Career Theory and Practice (HUSAインターンシップI:キャリア理論と実践)」の授業を、英語と日本語の両言語を使用して日本語中級・上級のより多くの留学生が受講できるしくみを作り、日本社会及びグローバル社会との関わりを見つけられる授業に改変した。また、企業体験者講話を全学公開で導入し、本学学生も協同学習に参加して大学教育と社会とのつながりを国際的に考察する場を創出した。産官学連携の発展を目指し、「HUSA Internship II : Practicum (HUSAインターンシップII:実習)」では日本語上級の留学生を派遣する受け入れ企業の拡大化を図る制度も整備した。
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