平成22年度は、福島県只見高校、島根県邑南高校及び両校が所在する只見町、邑南町の地域社会調査を中心に研究を進めた。どちらの地域も、過疎化・少子高齢化が急速に展開しており、高校は「再編」過程において統合ないし廃止の俎上に載る可能性を高くしている。しかし、現存する高校が廃止された場合、地域の後期中等教育は根本から大きな難問に遭遇する.県立高校ではあるが、実質的には高校が所在する地元の町教育委員会が深い問題関心を寄せ、学校と町教育委員会及び地域住民との連携を強くしていることがわかったところである. 高校は、こうした地域の意向を受け、留学生受け入れ制度や個別指導、教育課程の創意工夫などによって地域の教育課題に応えようとしており、卒業生の進路に見る限り相応の効果を上げていることがわかる。
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