研究課題/領域番号 |
21530887
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
西田 芳正 大阪府立大学, 人間社会学部, 准教授 (10254450)
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研究分担者 |
内田 龍史 大阪市立大学, 文学研究科, 研究員 (60515394)
妻木 進吾 大阪市立大学, 文学研究科, 特任講師 (60514883)
長瀬 正子 常磐会短期大学, 幼児教育科, 専任講師 (20442296)
堤 圭史郎 福岡県立大学, 人間社会学部, 専任講師 (70514826)
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キーワード | 社会的排除 / 児童福祉施設 / 貧困 / 地域社会 / 社会的支援 |
研究概要 |
本研究の柱の一つである児童養護施設を経験した若者に対する生活史インタビュー調査の知見を書籍として公刊した(『児童養護施設と社会的排除』解放出版社)。インタビュー調査自体は今回の科研調査期間の前に終了しており、昨年度と今年度は、施設関係者・学校教員へのヒアリングなどを行って補足情報を得ることと並行して記録の分析作業を進めてきた。施設に措置される以前の家族生活の特徴、施設でのケアの実態、学校教育におけるサポートの不足と差別、排除経験、労働市場で直面する困難についてそれぞれ整理し、経験者のポジティブなアイデンティティ形成の条件を当事者組織の活動に見出した後、今日の日本社会の排除的な性格を典型的に示す存在として児童養護施設経験者を位置づけ、家族依存社会からの脱却の可能性について終章で論じている。 この他、児童自立支援施設のケース記録の分析に関しては施設に赴いての入力作業を継続し、施設と学校の連携に関する調査については、全国悉皆の郵送調査を準備したが、最終段階で郵送調査としての実施を変更し、地域を限定してインテンシブな調査を次年度行うこととした。 以前に実施した母子世帯の生活実態調査について分析結果をまとめた他、貧困・生活不安定層が比較的多く生活する地域における子どもから大人への移行プロセスの研究として、大阪府内の数か所をフィールドとして調査の準備を進め、次年度の本格実施に備えている。
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