【研究目的】 研究目的は、現在、グローバリゼーションの進行の中で、中国少数民族女子青年の進路選択や就業状況はどのようになっているのか、障害の有無、また、どのような進路選択を戦略的に行っているのか、を明らかにすることにある。 【研究方法】 (1)北京師範大学、中央民族大学、呼和浩特民族学院における教育調査、(2009年6月);4年生の就職内定者に対する調査(モンゴル族などの少数民族と漢族との比較研究)、有効回答数・246サンプル (2)雲南省南華県における教育調査(2009年9月);(1) アンケート(イ族居住地域から小・中・高の5校を選択、有効回答数・749サンプル)、(2) インタビュー(幼稚園・小・中・高の6校の教員) (3)雲南省魏山における教育調査(2009年9月);インタビュー(回族女性) (4)浙江省義鳥における教育調査(2009年12月);インタビュー(アラビア語学校出身の回族) 【研究成果】 ・少数民族の場合、漢族よりも、大学生の就職において不利となる傾向がみられる。特に、近年、大卒者急増のため、漢語能力において不安が残る少数民族は、就職難となっている。 ・雲南省のイ族は、小学校低学年から漢語を学ぶとともに、幼稚園から英語をカリキュラムに取り入れている。「漢族の子どもよりもイ族の子どもの方が勉強熱心で成績も優秀」と語る教員もいた。イ族の場合、早い段階から英語や漢語を学ぶことで、グローバリゼーションに戦略的に対応しようとしている。 ・少数民族においても、回族はアラビア語を積極的に学ぶことで、中近東の諸国との貿易に関与し、グローバリゼーションの波に乗っている者が少なくない。 【研究成果の公表・発表】 ・2009年11月早稲田大学国際会議場において、国際フォーラムを開催(北京師範大学・鄭新蓉教授、他3人の外国人研究者の発表) ・2010年3月国際フォーラム報告書の印刷・出版
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