【研空目的】 グローバリゼーションの下で、中国少数民族女子青年の進路選択や就業状況を明らかにすること。 【研究方法】 (1)吉林省延吉市教育調査(2011年9月):(1)アンケート調査(小中学生対象、有効回答数100サンプル)、(2)朝鮮族民族小学校・幼稚園での参与観察、(3)延辺大学における専門家インタビュー (2)ベトナム・ハノイ、中国・珠海市教育調査(2012年3月):(1)ムスリム出稼ぎ実態調査(ハノイ、珠海)、(2)北京師範大学珠海分校での専門家インタビュー 【研究成果】 (1>市場化に伴い、少数民族間においても格差が生じている。たとえば朝鮮族は韓国への出稼ぎで現金収入を得ており、グローバリゼーションの中で、有利な立場に置かれている。回族も全国におけるラーメン店の広がりと共に出稼ぎに出ている。 (2)ただし、朝鮮族は母親が韓国へ出稼ぎに行く場合が多く、家庭教育に大きな影響を及ぼしている。 (3)朝鮮族は小学校からの朝鮮語、漢語、英語の3言語教育に対して、民族発展のための戦略として積極的に取り組んでいる。ただし、学習負担が漢族に比べて多いという問題がある。より合理的な3言語教育が必要とされている。 【研究成果の好評・発表】 (1)2011年11月4日、早稲田大学において、「日中国際フォーラム女子青年の進路選択をめぐる教育学的研究-マイノリティの視座から-」を主催。武宇林、孫誠など外国人研究者の他、早稲田大学大学院生(留学生3人、日本人3人)が発表。同フォーラムは、NIHUプログラム・現代中国地域研究との共同開催である。 (2)2012年3月24日、早稲田大学において開催された「国際シンポジウム越境する中国のエスニック・マイノリティ:朝鮮族の場合」において研究代表者が発表。 (3)新保敦子編著『中国少数民族女子青年の進路選択をめぐる教育学的研究最終報告書』(早稲田大学MDセンター、2012年3月)の刊行。
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