• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

現代アメリカ合衆国における批判的ペダゴジーの最前線:ポストNCLBの理論と実践へ

研究課題

研究課題/領域番号 21530894
研究機関上智大学

研究代表者

澤田 稔  上智大学, 総合人間科学部, 准教授 (00367690)

キーワードカリキュラム / 教育方法 / アメリカ / ポリティクス / 民主主義 / 公正
研究概要

本研究は、現代米国における批判的ペダゴジー理論の再検討と、その実践的諸相を明らかにすることを目的としており、そこで得られる知見に基づいて、前ブッシュ政権のNCLB法による教育改革を受けて新たに展開されつつあるオバマ政権の教育改革動向を分析することを目的としている。
今年度進めた研究活動は、主として以下の4点に集約される。
第1に、批判的ペダゴジー論をカリキュラム論全体の諸類型の中に位置づけると同時に、カリキュラム論の一類型としての批判的ペダゴジー論を、[規範・提言-記述・分析]及び[理論・基礎-実践・応用]という二つの軸を設定することで、さらに類型化し、実践的諸側面を含む批判的ペダゴジーの全体像を俯瞰する理論的枠組の構築を試み、カリキュラム学会第22回大会で発表した。
第2に、アメリカ合衆国において、NCLB制定以降においても、批判的ペダゴジーと呼びうるような、あるいは、これに親和的な、「社会的公正」や「民主主義」を理念として掲げる進歩主義的な方法論を実践的に展開している初等・中等教育段階の主として公立学校を対象として、調査取材を実施した。そこでは、NCLB法による施策によって、多くの学校が、この法律で要求される特定教科のペーパー試験による成績向上のための教育に、ますます大きな比重を置くようになるなかで、これに異論を唱えながらも、この状況に適応しつつ、進歩主義的な実践を展開している学校の事例を収集した。
第3に、上記調査取材で得た情報を活かしながら、批判的ペダゴジーの実践論文集と呼びうる著作(M. Apple and J. Beane eds. Democratic Schools, 2nd ed. Heinemann, 2007)の全訳を進め、出版に向けた準備をほぼ完了した。この翻訳の一部は、研究代表者が解説している個人ブログですでに公開している。
第4に、これらの研究のごく一部を、中国長春における個性化教育に関する実践研究会において紹介し、民主主義社会の構築に寄与しうる学校教育の実践的可能性に関して論及した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 批判的教育学から見た日本におけるESDの意義と課題2012

    • 著者名/発表者名
      澤田稔
    • 雑誌名

      『教育学論集』(上智大学総合人間科学部教育学科)

      巻: 46号 ページ: 74-79

  • [雑誌論文] 以体験活動為基礎培養自尊心学習能力的教育実践-来美国和日本的事例2011

    • 著者名/発表者名
      澤田稔
    • 雑誌名

      亞学校教育創新高端学術論壇曁東北師大附小教育集団開放式教育十年研究発表会研究紀要

      巻: 本紀要のみ ページ: 67-78

  • [学会発表] 作為民主教育的開放教育2011

    • 著者名/発表者名
      澤田稔
    • 学会等名
      東亞学校教育創新高端学術論壇〓東京北師大附小教育集団升放式教育十年研究友表会
    • 発表場所
      長春東北師範大学附属小学(東北師範大学附属小学校からの依頼による招待講演)
    • 年月日
      2011-09-22
  • [学会発表] アメリカ合衆国における批判的ペダゴジー論の再検討-批判的教育研究による規範的カリキュラム論の可能性-2011

    • 著者名/発表者名
      澤田稔
    • 学会等名
      日本カリキュラム学会第22回大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2011-07-17
  • [学会発表] ニューカマーの基礎学力保証における個別化・個性化教育方法論の意義-多様な個の「包摂」によるエンパワーメントの非政治的政治性-2011

    • 著者名/発表者名
      澤田稔
    • 学会等名
      日本カリキュラム学会第22回大会
    • 発表場所
      北海道大学(課題研究4のシンポジストとしての招待講演)
    • 年月日
      2011-07-16
  • [備考] 研究者の個人ブログMinor's Blog

    • URL

      http://d.hatena.ne.jp/minor-pop/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi