研究課題/領域番号 |
21530904
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
久保 良宏 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (80344539)
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研究分担者 |
須田 康之 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (90216474)
若林 高明 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (20270184)
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キーワード | 算数・数学 / 授業タイプ / 教師教育 / 調査研究 / 授業分析 |
研究概要 |
本研究は、筆者がこれまでに明らかにしてきた算数・数学科教師の数学教育に対する態度に関する研究(前回の科研)を焦点化せ、算数・数学を指導している教師の授業タイプと、その授業タイプを選択している要因等について、ペーパーによる調査と授業分析という質的研究から明らかにし、これを教師教育学の視点から検討することにある。 研究の1年目は、数学教育、教師教育の文献研究に加え、研究の手法を検討するために、質的研究に関する文献から研究方法に対する示唆を得た。これらを参考に、前回の科研を再分析するとともに、北海道のすべての中学校に調査用紙を送り、それぞれの学校で最も経験年数の少ない数学科教師を対象に調査を行った。この調査では、355名の回答が分析の対象となった(回収率約52%)が、その結果は、論文として日本数学教育学会誌に投稿している。ここで明らかになったことは、北海道では経験年数の最も少ない教師は年齢的に20歳代から50歳代にまで分布しており、数学科の指導目標、内容、方法、評価について、悩みや不安を持っていることが分かった。また、これは授業タイプにも関係しており、問題解決的な授業を日常的に行いたいと考えているものの、実際には、教師が理想とする授業タイプを選択できないといった実態も明らかになった。 本研究では、これを教師教育的視座から検討することが最終的な目的であるが、現在のところ、数学教育の目的、また、コミュニケーションの重要性等々に着目することが教師の授業タイプの変容に関係すると考えられる。 今後の課題としては、自由記述の分析から教師の実態をより詳細に明らかにするとともに、援業分析を通して実際の授業タイプが、授業の目的により変容するかを検討する必要があると考えている。
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