研究課題/領域番号 |
21530904
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
久保 良宏 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (80344539)
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研究分担者 |
須田 康之 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (90216474)
若林 高明 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (20270184)
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キーワード | 算数・数学 / 授業タイプ / 教師脅威育 / 調査研究 / 授業分析 / 質的研究 / コミュニケーション / 統計指導 |
研究概要 |
本研究の目的は、前回の科研(教師の数学教育に対する態度)の継続研究として授業タイプ選択の要因について教師の実態を明らかにするとともに、授業タイプ変容のための具体例を示すことである。これまでに数学科教師を対象とする教師調査と授業分析から、授業タイプを7つに類型化し質問紙調査の自由記述の分析により、理想の授業タイプを実際の授業に持ち込めない要因について検討した。その結果、問題解決的な授業タイプを理想としている教師が多い中で、教師自身の指導力不足が問題解決的な授業タイプを教室に持ち込めない大きな要因になっていることが明らかになった。そこで今年度は、教師教育の視点から教師の指導力に着目し、指導内容をどのように捉えるか、また、問題解決的な授業タイプを実践するための具体的な事例について検討した。前者については統計指導に焦点を当て、数学教育において統計をどのように位置づけるかを、数学と統計学の関係や統計教育の変遷に着目して考察した。算数・数学の授業が画一的で自由度のない状態で行われている中で、統計指導では統計学の範疇にまで指導内容を拡げることが重要であり、ここでは授業の自由度が増すことが期待できることから授業タイプの変容につながるのではないかと考えた。また、後者については、授業タイプ選択では子ども同士のコミュニケーションの活発化が重要な意味を持つと考えた。そこで、同じ問題を学年や単元を越えて指導することに焦点を当て、その指導事例について提案した。授業実践から、子どものよりよい変容はもとより、教師についても理想とする授業タイプへの変容がなされていくことが確認された。なお、今後の研究につなげるべく、教師教育の視点からリテラシーに着目して、高等学校の数学科教師の実態についても検討を加えた。
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