研究概要 |
多文化社会では異質な価値観の衝突が生じる。一方の価値観からみるともう一方の価値観は「トレラント(tolerant)一寛容」ではない存在,つまり「イントレランス(intolerance)一不寛容」ということになる。この「イントレランス」に対して,子どもたちがどのような認識をし,どのような意識や態度を身につけるべきか,そのための社会科教育はどうあるべきかについて考究する。アメリカの多文化教育における「エクイティ教授論(Equity Pedagogy)」を手がかりに,日米の具体的な社会科実践の観察・分析を通じてそれを明らかにすることが本研究の中心課題である。 1.授業観察・学校観察 アメリカ・ハワイ州の小学校において前年度に引き続き観察・記録・分析を継続した。 2.「コンプリヘンシブ」に関する資料の収集 ハワイ州教育局の社会科専門官に州社会科カリキュラム改革について聞き取りをするとともに,教育政策における「コンプリヘンシブ」に関する資料収集を行った 3.研究の途中経過の報告 異文化間教育学会(第32回全国研究大会),日本社会科教育学会(第61回全国研究大会)より招聘を受け,シンポジウムのパネリストとして研究報告を行った。異文化間教育学会の公開研究会を企画し,コーディネータとして報告を行った。ニューイングランド多文化教育学会においてスピーチおよび資料収集・研究打ち合わせを行った。
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