研究概要 |
1.様々な場における実践の展開 昨年度に引き続き,様々な場で実践を展開した。とりわけ,以下の実践においては,従前の造形ワークショップには見られなかったプロジェクトの実施形態を推進することができた。 (1)川崎市市民ミュージアムでの実践(2011年11月12日) 本実践は,美術館の教育普及学芸員の依頼に端を発している。さらに当館の意向により,本プロジェクトは,完全に美術教育を専門とする学生たちによって企画・運営された。美術館において,学生達の企画が採用されることは全国的に見ても稀であり,その実践では,美術館空間ならではの子どもたちの活動が実現された。参加した子ども,保護者からの評価,そしてそれを受けた美術館側からの評価により,次年度も開催することが決定している。 (2)南三陸町立入谷小学校での実践(2012年3月1日) 本研究の実績を認め,キッズデザイン賞(アクション・フューチャー部門)を授与した特定非営利活動法人(内閣府認証NPO)キッズデザイン協議会が主催する東日本大震災被災地に対する教育支援活動プロジェクト『元気プロジェクト』の一環として,宮城県南三陸町の子どもたちを対象にした実践を行い,その意義を検討した。その成果は,キッズデザイン協議会のホームページに掲載されている。 2.実践の分析と考察,引き継がれた課題 実践においては,子どもの造形活動の様相をデジタル・ビデオ・カメラ,ICレコーダー等で記録し,質問紙による調査も行った。そしてそれらデータを基に,子どもの造形活動の様相をエスノメソドロジー的手法で分析し,学校教育における授業とは異なる行動様式,発話様式を析出することができた。ただしその成果については,報告書(リーフレット)にまとめて次年度に公開する見通しである。
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