中学校の技術において創意工夫のあるものづくりに絡めた知的財産教育を学校現場の協力を得て展開し、その相乗効果を検証し、さらにより有効な組み合わせ方を開発するのが本研究の目的である。 平成21年度は三重県津市内中学校1校、中国内モンゴル自治区内の中学校2校、及び内モンゴル師範大学准教授(平成21年度三重大学外国人招へい研究者)1名の授業実施協力チームを編成し、ほぼ同内容のロボット作りと知的財産教育を組み合わせた授業を開始した。日本側は授業が終了、中国側は学年開始時期が異なることから継続中である。生徒への事前(、事後)アンケート等によりデータを取得してきている。 国内では学校との打ち合わせ、各種研究会への参加等によりデータを収集した。中国については8月に現地中学校を訪問し、研究の主旨を説明すると共に意見交換、調査を行った。中国では地域により教育格差がなお大きい状況にあり、協力いただく両学校は僻地で今後の発展が求められている。特に工夫を要するものづくりと知的財産教育は新しい産業振興のために不可欠であり、研究協力に留まらず、非常に歓迎されるプロジェクトとして迎え入れられた。教師、生徒ともこれからの地域を支えていこうという意欲が強く、日中での比較で興味ある結果が得られつつある。これら調査・研究成果をいくつかの形ですでに報告してきている。 中国側の中学校への必要な消耗品の持ち込みの手続きに想定以上の手間を要したことから当初計画よりはやや遅れているが研究全体としてはほぼ順調と言える。
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