研究概要 |
身近なものを「分解してしくみを調べる」学習は,ものの中を開けてしくみを見るという点で生徒が新鮮味と興味関心をもち,理科が生活に結びついていることを実感すると同時に生徒に考える力を養うことができる。 ただ身近なものといってもその多くがブラックボックス化されており、簡単に分解できないものや分解できても複雑すぎてしくみがわからないものが多い。そのため「分解=壊すこと,ものは使えればよく,しくみを理解する必要はない」と考えてしまう子どもたちが多い。本研究ではそういった子どもたちに積極的にものを分解してしくみを調べ,考えさせる学習を開発する。もののしくみを調べる学習はものつくりの基本である。そのためには各学習段階で分解することが可能なもの,中を調べてしくみが理解できるものを選定して学習教材として取り入れることが重要である。21年度は次のような学習教材を開発し京都教育大学附属京都中学校(2,3年生)で授業実践をした。 (1) 自転車のチューブはどうして抜けないか? (2) 簡易減圧器(ガラスビンのふたとゴムシートに穴をあけ簡易ポンプで空気を抜く)はどうして空気が入らない? (3) シャンプーのボトルはどうして押すと出る? この授業では圧力の学習の発展として取り扱った。(1),(2)については生徒もよく理解でき興味を持って取り組んでいた。(3)については授業時間内に理解が十分得られるところまで行かなかったが教材が身近なものであるので興味関心は大きかった。これらは22年度理科教育学会で発表予定である。 また電気分野において家庭の配線や電気器具を使って学習させる教材も作成中でこれらは22-23年度授業実践を行う。
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