| 研究概要 |
本研究は,中等教育段階を対象とし,学習者への実態調査と先駆的な授業実践の授業観察を通して,表現と理解の能力関連を計る関連型国語学力および授業モデルを構築し,学習者の学力形成と教師の授業改善に対するモデルの有効性を検証することを全体の目的とする。本年度は次のことを具体的な目的として研究を行った。
課題(1):論理的文章の読みにおける論証の理解能力(スキル的側面)と,音声および文字による表現能力(状況的能力)の発達的な関連を明らかにする。
課題(2):教師の国語学力および授業モデルにおける論証の位置づけを明らかにする。
今年度行った研究において,以下のような成果が得られた。
1)「科学的説明」という観点から,中学校3年間の説明的文章教材の分析を行い,説明的文章における「説明」がどのように発達しているか,その段階性とカリキュラム性を明らかにした。
2)研究分担者である宮本浩治が前年度附属学校に勤務していたときに行った中学校3年生を対象とした実験授業において得られた,小集団の話し合いによる批評的読みの過程の録音データの分析を行った。個人の読みが,音声言語による表現である協同的な過程において変化する過程,学級全体の授業過程において,承認を得る過程がとらえられた。
3)先駆的な実践を行っている教師として研究分担者の宮本浩治が中学校2年から3年に対して行った説明的文章の授業の分析を通して,発達段階に応じた学力モデルおよび授業モデルを構築した(途中)。
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