研究課題/領域番号 |
21530948
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
刈谷 三郎 高知大学, 教育研究部・人文社会科学系, 教授 (00136368)
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研究分担者 |
上野 行一 帝京科学大学, こども学部・児童教育学科, 教授 (40284426)
小島 郷子 高知大学, 教育研究部・人文社会科学系, 教授 (20225428)
笹野 恵理子 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (70260693)
宮本 隆信 高知大学, 教育学部, 非常勤講師 (20534176)
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キーワード | 実技教科授業 / 日韓比較 / 子どもの「学び」経験 / 実技教科カリキュラム |
研究概要 |
本研究は、音楽科、図画工作科、家庭科、体育科のいわゆる「実技教科」において、教科相対的ならびに教科横断的な視野から、日韓の比較調査研究において、(1)学校における「実技教科」授業において、学習者は実際に何を「経験」し、どのような「学び」を実際に形成しているのかを、学習者のもつ教科観から明らかにする。さらに、(2)その「実技教科」において形成された「学び」や「経験」について、実技教科カリキュラムの「効果」について明らかにすることを目的としている。 H22年度は、初年度(H21年度)後半に韓国の小学校5,6年生約1,500名を対象とした実技授業に係る調査を詳細に分析した。韓国小学生の実技教科授業への学びの経験を把握し(課題1)、日韓比較授業実践で使用する日本と同様の手法で授業評価票(案)の作成を試みた。 成果として、1.韓国小学生への調査を教科ごとに因子分析を行い、音楽科6因子(53項目)、美術科7因子(52項目)、実科(日本の家庭科にあたる)8因子(50項目)、体育科6因子(52項目)が抽出された。また抽出された因子の中で実技4教科に共通する因子が4因子あることが明らかになった。 2.実技各教科で抽出された各因子は、「よい授業である」「教師の指導性」とすべての因子で有意な関係が認められた。また「よい授業である」「共生の指導性」への各因子の影響度は教科で異なることも明らかになった。 3.実技各教科の因子分析の結果から、毎時間の授業実践で有効に活用するために各因子から1~2項目ずつ選択し、実技各教科の授業評価票(案)の作成を行った。作成した韓国の実技教科授業評価票(案)は日本韓国の実技教科授業を分析する一つの基準となり、現場実践研究において日韓授業比較や研究者間、教師間の研究討議に有効に活用される調査票になると考えている。
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