研究概要 |
本年度は,複式学級における算数科学習指導デザインのための基礎理論として,本質的学習環境の理論を中心に研究を進めた。小学校第2学年の児童のために開発された「たけのこ数」という本質的学習環境をもとに,その実践結果をまとめ,ドルトムント大学で行われたシンポジウム(19 Symposium mathe2000)において発表した。今回は単式学級での実践となったが,児童の活動の様子の分析を通して,複式学級への応用の可能性を見出すことができた。また,シンポジウムにおいては,研究成果を発表するだけではなく,ドルトムント大学数学教育開発研究所のE. Ch. Wittmann教授と意見交換を行うことができ,本質的学習環境の理論についての理解を深めることができた。 また,本質的学習環境における理由づけの学習活動として,「操作的証明(Operative proof)」に関しても研究し,理由づけの学習活動としての有効性を見出すとともに,複式学級での学習活動としてのアレンジの可能性を見出すことができた。「操作的証明(Operative proof)」に関する研究の成果は,全国数学教育学会の第30回研究発表会(広島),日本数学教育学会の第42回数学教育論文発表会(静岡)において発表することができた。
|