研究課題
平成22年度は、音楽科の学力の具体的な測定方法に関し、国内外の過去及び現在の評価法・測定法の理論研究を行った。特に、岐阜県古川町立古川小学校における音楽科教育「ふしづくり一本道」に関する史料を発掘した。岐阜県総合教育センターの紀要、同センター所蔵の古川小学校における音楽科教育「ふしづくり一本道」に関する資料、さらに、古川小学校に保存されている資料を収集・整理した。これらには、当時の岐阜県一円で実施された、音楽学力調査の試験問題、実音調査のテープ、調査結果の詳細が含まれている。さらに、当時の児童たちの創作した旋律集が含まれている。前年度と同様に、小学校音楽科で学習するべき「音符、休符、記号等」と「歌唱共通教材」の学習度に関する調査も、継続して行った。加えて、(1)米国、イギリス、ドイツの代表的な音楽教育の理論的研究も進めた。また、(2)わが国における過去の音楽科の学力調査に関する研究は、吉富と三村が中心となって行った。その成果は、日本教育学会において三村と吉富が研究発表を行った。さらに、三村と伊藤を中心として、中学校の新入生を対象とする小学校音楽科の学力調査を試行的に行った。その結果、拍子や速度を聴き分ける問題、及び音と楽譜の照合の問題は正答率が比較的高かったが、長調・短調を聴き分ける問題は正答率が低かった。また、楽器の音色を聴き分ける問題では、楽器によって正答率にかなり差があり、打楽器の正答率は高かったが、クラリネットとホルンの正答率は低かった。
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環太平洋大学研究紀要
巻: 第4号 ページ: 49-56
音楽文化教育学研究紀要
巻: XXII(印刷中)
中国四国教育学会教育学研究紀要
巻: 第56巻(CD-ROM版) ページ: 625-630