研究課題/領域番号 |
21530971
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
佐川 馨 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (40400519)
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研究分担者 |
桂 博章 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (60185832)
斎藤 洋 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (70186972)
爲我井 壽一 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (80431617)
原 義彦 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (70284825)
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キーワード | 教材開発 / 郷土の音楽 / 音楽科教育 / アウトリーチ / 教員養成 |
研究概要 |
研究の最終年度として、(1)教員養成における取り組み(学部、大学院の専門科目における教材の導入)、(2)関係機関、学校への教材の配布、(3)市民向けアウトリーチ・プログラムの実施の三つに取り組んだ。 (1)については、地域にかかわりのある音楽家の作品を活用した教員養成カリキュラムを構築し、学部および大学院で授業実践を行った。受講学生の変容の考察を通して教員養成における「地域の音楽素材」活用の可能性について検討した結果、「地域の音楽素材」は、親近感の高まりが楽曲の魅力や価値を好意的に受け入れようとする態度形成を促進し、学習意欲を高めることが明らかとなった。このことは教員養成だけでなく、学校教育においても同様の効果が期待できると考えられる。 (2)については、当初の計画では民俗芸能等の伝統音楽的素材の映像教材も制作する予定であったが、近隣の大学の研究プロジェクトと大きく重複することが明らかとなったため、西洋音楽的素材に特化することとした。学校教育と社会教育の双方で活用可能なものという視点からDVDとCD教材を制作し、県内の図書館、高等学校、各地方教育委員会等に配布した。 (3)については、市民向けアウトリーチとして、ライブラリを活用した地域関連の音楽家の作品だけの解説付き声楽講座を行うとともに、講座と並行して収集した作品(楽譜)、著作、文献、録音資料等の公開を行った。 本研究課題では、「郷土の音楽素材」による教材開発と、その教材を活用した大学教員のアウトリーチ・プログラムを連動させた地域の音楽文化遺産伝承と時代の要請に応じた教員養成を目指した。3年間の研究を通して、当初の目的はほぼ達成できたと考える。この研究で得られた成果を今後の大学教員のアウトリーチおよび地域の教育に貢献できる教員の養成に役立てていきたい。
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