研究課題/領域番号 |
21530975
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
米山 文雄 筑波技術大学, 産業技術学部, 講師 (20220775)
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研究分担者 |
新井 孝昭 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (70232014)
大塚 和彦 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (80331304)
山脇 博紀 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (60369311)
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キーワード | 聴覚障害 / 教材 / 手話 / ろう学校 |
研究概要 |
本研究の目的は、幼児教育および小学校教育において使用されている「絵本」や「教材」に手話表現をリンク(連結)させた教材ソフトの研究・開発とその教育的意義を検討することにある。 本年度は、昨年度まで2年間、社会科授業で実践して得られた評価をもとに、社会科教材ソフトを改良した。改良項目は下記の通りである。 ・地域による手話の違いを考慮し、手話表現者を地域のろう者にした。 ・拡大縮小、画面移動機能を加えることにより、マウスの操作性と教科書の見やすさを高めた。 ・手話動画拡大機能を加えることにより、顔の表情や手の動きを見やすくした。 ・字幕表示で全ての漢字の上にふりがなを加えることにより、字幕の読みやすさを向上させた。 作成した社会科教材ソフトを沖縄ろう学校小学4年(インターネット利用)、熊本聾学校小学6年(DVD利用)の社会科授業で実践を行った。その結果、沖縄ろう学校では、様々な機能を加えたことにより、操作しやすくなってスムーズに指導ができたと評価が得られた。また、地域の手話、字幕にふりがなを加えたことにより、わかりやすくて学習意欲の向上につながることも確認できた。熊本聾学校も初めての社会科教材ソフトであったが、沖縄ろう学校と同様に大変好評であったので、手話リンク教材の教育実践における有効性を検証できたと言える。その社会科教材ソフトの研究成果を今年9月に日本特殊教育学会(筑波大)に発表する予定である。 19年度~20年度の科学研究費補助金で作成した「幼児と保護者が共に楽しむ手話リンク生活絵本DVDソフト『いちにちのくらし』」を全国聴覚障害教職員シンポジウムと高知県立高知ろう学校に紹介した。大変好評だったので、DVDソフト希望のろう学校幼稚部の教員にDVDソフトを無料で配布した。 新版として「一年の行事」に使う用語を取り上げた手話絵本DVDソフト『いちねんのくらし』を開発製作しているが、去年の震災の影響でイラスト作成者が仕事できない状況で延期となったため、完成予定よりはるかに遅れている。 8月までにDVDの完成を目指す予定である。
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