本研究は、平成21、22、23年度の3年計画で、現職教員及び教員志望者(主として国語)の批評力を速成するための方法を開発し、それにもとづくカリキュラム・教材資料・教材研究集を作成することを目的とする。具体的手段としては、非形式論理学のAffirmative Approach(肯定的方法)とNegative Approach(否定的方法)を下位論理型式に分解することで統合し、それに修辞学的分析(Rhetorical Analysis)の方法を組み込み込んで一つの理論と成し、主として現職教員再教育の場で、また従として教員養成の場で、(国語)教員に必要な批評力を短期間で効率よく育成するための理論・方法として構築する。平成21年度の実績として、以下の成果が得られた。 1)Negative Approachの虚偽型式を、Affirmative Approachの正常な論理型式が具体的な議論のかたちをとる際の変態による論証機能、説得力の喪失ととらえ、それを材料にして、批評力の基礎となる論理的思考力を裏側から訓練する方法として開発し、以下の場でそれを実践し、またその成果を公表した。 (1)平成21年度教員免許更新講習においての、私家版テキストを利用した論理的思考力速成訓練。 (2)学会シンポジウムでの研究発表(2ページ目参照)。 (3)上記私家版テキストにもとづき、研究成果を社会に利益還元するための一般向け図書(2冊)の刊行(2ページ目参照)。 2)「比較」による簡便な批評力速成方法を考案し、以下の場でそれを実践し、またその成果を公表した。 (1)公立学校(宇都宮市立富屋小学校等)での講話。 (2)平成24年度より使用される中学校教科書(国語)での説得系列教材(1~3年)。
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