研究課題/領域番号 |
21530977
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
村越 純子 埼玉大学, 教育学部, 非常勤講師 (80456003)
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研究分担者 |
森川 輝紀 埼玉大学, 教育学部, 名誉教授 (20008741)
田代 美江子 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (40297049)
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キーワード | スペイン / 中学校 / シティズンシップ教育 / 道徳教育 / 宗教教育 / 日西比較 |
研究概要 |
本研究は、スペインの中学校における価値教育関連科目(「宗教」教科及び「シティズンシップ教育」教科)の成立過程とともに、同国の中学校でのそれらの教育実態を明らかにすることを目的としている。わが国の学校教育における今後の「シティズンシップ教育」等のあり方に示唆を与える研究である。今年度は、スペイン科学研究高等会議CSIC研究所(Margarita del Olmo教授のプロジェクト)およびエストレマドゥーラ大学教育学部(Maria Miranda Velasco助教授のプロジェクト)において、日本の教育基本法の概念や教育制度を報告することができた。これは今後の共同研究の基盤となるという点で大きな成果である。報告のコメントとしてスペイン人研究者から、日本の教育目的として掲げられている知・徳・体のバランスをすべて学校教育のなかで実現しようとする日本の独自性が指摘され、改めてその意義を確認した。あわせてマドリード自治州のコンサータダ系私立学校ルーデス校、またエストレマドゥーラ大学附属アゴラ中学校を視察することができた。そこではEU統合を背景とした移民の子どもたちの状況を把握でき、またエストレマドゥーラ自治州のもとめるシティズンシップ教育の実情が把握できた。エストレマドゥーラ大学教育学部の学生やルーデス校の移民の子どもたちを対象に、とくに被爆国ということに焦点をあて、平和教育をテーマとした講義および授業を行った。これらをとおして日本型シティズンシップ教育の可能性を検討できた。スペインではさらに、スペイン健康教育学会会長であるコンプルテンセ大学医学部のMaria Sainz Martin教授および同大学教育学部Estela D'Angelo Menendez教授の依頼により、日本の義務教育制度における教科外活動のしくみやその意義に関する講演を行った。これらに基づき、平成22年度の研究を実施したい。
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