平成17年度に作成した睡眠教育ハンドブックの内容を中学生向けに再構成した。それをもとに、学年の発達をふまえた睡眠に関する指導内容を設定し、中学1年および3年生を対象に開発した睡眠学習プログラムを作成した。そのプログラムをもとに研究協力者が授業実践した結果、授業者および授業観察者の評価においては、いずれの学年の授業においても、提示した資料の説明の仕方や効果的な板書の仕方においていくつかの改善点が指摘されたが、全般的には、生徒が睡眠の科学的知見を通して、自分の睡眠生活を見直したり、再発見したりしていたことが高く評価された。昨年度報告した小学校の睡眠学習に比べると、生徒のつぶやきや反応が少ないために、授業者の説明の多い「提示・説明型」の授業になる傾向がみられたので、生徒が互いの体験や思いを交流し合いながら自分の睡眠について深く考えることのできる方法を授業者は工夫・改善する必要があると考えられる。 次に、中学校における睡眠教育の支援に向けて、昨年度に作成した小学校教員用の睡眠学習Web教材に加えて中学校教員用のWeb教材を作成し、その有効性を検討した。授業者の自己評価は以下のとおりである(5段階評価)。 (1)第1学年-授業の満足度:3、生徒の理解度:4、研修で得た知識の活用度:3、Web教材の有用度:4 (2)第3学年-授業の満足度:4、生徒の理解度:4、研修で得た知識の活用度:3、Web教材の有用度:4 いずれの学年においても、Web教材の有用度は「4」であったが、研修で得た知識の活用度が「3」であったことから、Web教材の有効な活用の仕方について今後さらに検討する必要がある。
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