平成21年度では、本研究の目的を踏まえて、教科書関連資料収集及び検討をすること、新教科書の構成案とウェブ教科書の計画案を検討することを年度の目標として次のように研究を推進した。前者の目標に対しては、アメリカと中国の社会科教科書の収集をした。そして、中国の教科書において伝統と文化に関する取り扱いを調査した。また、社会科関連ウェブページの調査も実施した。さらに、日本の現行小学校社会科教科書のテキスト内容と図表等の資料構成に関する概査を行った。このような文献資料の研究と並行して、東広島市、島田市、東京都において「伝統・文化」に関する教育の研究モデル校を訪問し、授業等の様子を撮影した。 後者の目標に対しては、特に新指導要領の内容との関連を視野に小学校と中学校社会科の構成案ウェブ教科書の単元モデル開発の計画案を検討した。特に、静岡県島田市においては伝統と文化に関する教育の全国大会が企画され、地域でのカリキュラムと授業実践の研究交流を実施した。これらの研究成果は、本研究を推進する上で重要な情報になっている。平成21度では本研究の第1年目であるので、関連資料集と計画案の検討に留まったのであるが、次年度では実際のウェブ開発に着手する予定である。
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