平成22年度では、本研究の目的を踏まえて、これまでの教科書関連資料収集及び検討をすること、新教科書の構成案とウェブ教科書の計画案を検討することを踏まえて、国内外における授業実践の調査とウェブ教科書の試案的開発をすることを年度の目標として次のように研究を推進した。 前者の目標に対しては、国内では北海道、東京都、静岡県を中心に授業実践と教材開発の資料収集を行った。国外では中国とフランスにおける伝統文化教育の授業実践と教材開発の資料収集を行った。特に、蕎麦、茶、武道、伝統行事に関する教材の汎用性と日本の伝統技術の国際性を焦点にして授業事例と教材開発の資料を収集できたこと、さらに各地域での教育者と専門家との支援関係ができたことは日本の伝統文化に関する教材の国際性を再認識するウェブ教科書の開発に重要な手がかりを得られた。 後者の目標に対しては、これまでの先行研究を検討し、小学校と中学校社会科の構成案ウェブ教科書の単元モデル開発の計画案を検討すると共に、ウェブ構成の技術的協力を得て伝統文化教育に関連するウェブページとウェブデータベースの開発を試みた。これらの試みが来年度のウェブ教科書開発の先行研究ともなり、ウェブ開発専門者との研究連携が得られた。 本年度の研究成果を踏まえて、次年度では実際のウェブ教科書の本格的開発に着手する予定である。
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