本年度は、昨年度もった現職技術・家庭科の教員との研究会において、新学習指導要領に対応する準備として中学生が製作可能な有線型の小型ロボットの教材化に対する助言依頼を受けたことに基づき、有線型の小型ロボットの教材化に関する検討を行った。 昨年度設計した小型ロボットの形状は20mm×20mm×30mmであったが、このサイズでの製作は本格的な工作機械の使用が必須になる。中学生が技術の授業において実際に製作できる25mm×35mm×30mmサイズのロボットを設計した。さらに小型ロボットを導入した教育方法の構想をたてた。 1.小型ロボットの機構部の設計 (1)製作方法の検討 小型ロボットの製作において、さまざまな製作レベルを含む教員のスキルアップも可能なものとした。また、製作過程の図面化においても3D CADを用いて詳細に検討を行った。 (2)3D加工機を利用した製作 教材として大量に加工する必要がある金属部品は3D加工機を用いて加工することを検討した。本年度は改修工事の影響により3D加工機を実際に使用するまでには至らなかった。本加工のみ外注(CNC加工機)により実現した。来年度は本研究で設計した3D図面を用いて購入した3D加工機を使用して金属部品を製作する予定である。 2.小型ロボットを導入した教育方法の構想 現職の教員から助言から、エネルギー変換の教材としての小型ロボットの設計を依頼され、意見を取り入れながら実際にそのプロトタイプを提案した。また、プロトタイプ機を5人の現職教員に製作してもらった。 提案した小型ロボットは「山口県中学校技家庭程教育研究大会」のエネルギー変換に関する技術において紹介された。また、同ロボットは国際マイクロメカニズムコンテストへの調査研究時に同大会に出展予定であったが、東北地方太平洋沖地震の影響で大会が中止となり、調査研究およびロボットの発表は実施できなかった。該当する旅費相当分は本研究で使用している3D CAD用のデスクトップパソコンを購入した。
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