研究課題/領域番号 |
21530989
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
阪根 健二 鳴門教育大学, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (10363178)
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研究分担者 |
吉井 健治 鳴門教育大学, 大学院・学校教育研究科, 教授 (50279379)
戸田 有一 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (70243376)
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キーワード | 生活指導 / 生徒指導 / いじめ / 教員研修プログラム / ヒント・シート |
研究概要 |
本研究は、いじめに対する教師の関与の在り方について明らかにし、それを最適化する『対応方略に関する研修プログラム』を開発することを目的としている。そこで以下の調査分析及び教材開発を行った。 (1)質問紙調査の精査:「いじめの推認傾向といじめ研修の実態調査」 教員研修を主管する都道府県・政令市・中核市教育委員会(108教委)を対象に、質問紙調査を実施し、全国68教委(回収率63%)から回答を得ている。これついて、さらに分析を進めた。そこでは、いじめ増減の推認傾向については、沈静していると認識している教委が33、変わらない及び増加と認識している教委が22であり、推認傾向の地域差において、一部地域に有意差が認められた。また、いじめ研修を実施している教委は、半数以下の28にとどまっており、研修内容については、具体的な対応や手法を主とした研修がほとんど行われておらず、現場での実用性に欠けている可能性が示された。なお、いじめ研修の多くが予防よりも介入に重点を置いている実態が示唆された。なお、これについては、平成23年3月に、日本生徒指導学会機関誌に研究論文として投稿した。 (2)ヒント・シート教材(DVD)の開発と試行 上記の結果を元に、教師のいじめについての知識と対応方略に関する研修プログラムの基本となるヒント・シート教材(DVD)を数点作成し、数か所の県教委主催(岡山県、徳島県等)の教員研究において試行した。この試行において、紙ベースのシートより、映像資料など視覚的な教材の有効性が明らかになった。また、一部研修において、3ヶ月後の追跡調査においては、映像教材について、研究効果(定着)が特に認められた。なお、映像教材については、スウェーデンのNPO公報映像、宝塚市立山手台中学校のいじめ撲滅ビデオを活用している。次年度にはこれらを系統的に配列し、DVD教材を完成し、実際に研修で検証したいと考えている。
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