研究課題/領域番号 |
21530989
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
阪根 健二 鳴門教育大学, 大学院・学校教育研究科, 教授 (10363178)
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研究分担者 |
吉井 健治 鳴門教育大学, 大学院・学校教育研究科, 教授 (50279379)
戸田 有一 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (70243376)
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キーワード | 生活指導 / 生徒指導 / いじめ / 教員研修プログラム / ヒント・シート |
研究概要 |
本研究は、いじめに対する教師の関与の在り方について明らかにし、それを最適化する『対応方略に関する研修プログラム』を開発することを目的としている。そこで最終年度は、以下の調査分析及び教材開発を行った。 1「いじめの推認傾向といじめ研修の実態調査」結果の再検討 研修内容については、具体的な対応や手法を主とした研修がほとんど行われておらず、現場での実用性に欠けている可能性が示された。なお、いじめ研修の多くが予防よりも介入に重点を置いている実態が示唆された。 2ヒント・シート教材(DVD)の開発と実践評価 上記の結果を元に、教師のいじめについての知識と対応方略に関する研修プログラムの教材となるヒント・シート教材(DVD)試行版を作成し、県教委主催(岡山県、倉敷市、徳島県)の教員研修において試行した。ここでは、紙ベースのシートより、映像資料など視覚的な教材の有効性が明らかになった。また、倉敷市の研修において、5ヶ月後の追跡調査においては、映像教材について、研究効果(定着)が特に認められた。なお、映像教材については、スウェーデンのNPO公報映像、宝塚市立山手台中学校のいじめ撲滅ビデオを活用している。いずれも著作権の確認を行っている。この教材は、これまでのいじめ研修において効果的であった森田(1998)が提唱しているいじめの構成概念<(1)被害の発生、(2)被害の継続ないし反復性、(3)力(Power)のアンバランスに基づく力の乱用>に、諸知見や実践を盛り込んだものであり、臨床心理分野、教育心理分野など、多角的な視点から検討し、様々な事情を抱える現場でも、少ない負担で実施できる効果的ないじめ研修を提案した。 3カ年間、研究と実践を結び付け、教師のいじめ理解や対応方略を向上させるプログラム開発を行ったが、昨今はネットいじめの問題などIT化への対応が急がれる。今後は、ネットいじめや携帯電話に視点をあて、研修が実践に活きるように、学校・教師支援のコンサルテーションの仕組みも作り上げていく。
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