平成21年度においては、大別して2つの研究活動を行った。第1は、過去に日本人が移民した現地に赴いての調査研究で、教材開発のために現地に残されている史料を収集することと、今後の研究のために現地の研究者や関係者との人間関係を構築することである。まず、平成21年8月25日~9月4日に、シアトルおよびサンノゼ、サンフランシスコに行き、調査研究を行った。シアトルでは、現在も発行を続ける『北米報知』新聞社およびシアトル本願寺別院を訪ね関係者に聞き取りを行い、建物等の写真撮影を行った。次に、サンノゼでは日本町を調査し写真撮影を行った。サンフランシスコでは、まず、日本町に行き、広島県人会および全米日系アメリカ人歴史協会で最近の日本町の事情について聞き取り調査を行った。また、サンフランシスコ州立大学およびカリフォルニア大学バークレー校に研究者に会い、日本人移民および日系アメリカ人の歴史に関する研究動向について聞き取り調査を行った。 次に、平成22年2月20日~3月2日には、ハワイ島ヒロおよびオアフ島ホノルルに行き調査研究を行った。ヒロでは、ハワイ大学ヒロ校の本田正文准教授の案内で、ヒロ本願寺別院、ハワイ日本人センター、ホノカアおよびホノムの旧日本人街、カウマナおよびアラエの日本人墓地を訪ね、写真撮影を行った。ホノルルでは、まず本願寺ミッションスクールで日本語授業の見学を行い、『ハワイ報知』新聞社のジョー・ユーデル記者の案内で、仏教研修センター、ホノルル広島県人会、マキキ日本人墓地、布哇出雲大社などを訪れ、関係者に聞き取り調査および写真撮影を行った。 第2は、日本語新聞のバックナンバーの収集である。現在の『北米毎日』の前身である『新世界』(1926年9月~1932年10月)および『新世界日々』(1932年9月~1935年6月)までをマイクロフィルム(計28巻)を購入し、読み進めた。
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