研究課題/領域番号 |
21531019
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
永松 裕希 信州大学, 教育学部, 教授 (60324216)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 発達障害 / 読字障害 / 視覚効率 / 音韻操作 / 縦断的研究 |
研究概要 |
本研究では,学習障害を中心とした発達障害児の読み能力に焦点を当て,その改善を図るためにこれまで開発した評価ツールおよび援助プログラムを用い、その効果を縦断的に検証することを目的として,平成24年度は、音韻認識の困難な読み障害のケースと視覚効率の困難な読み障害のケースのための改善プログラムによる読み能力の縦断的な変化を調査を実施した。 典型的なケースとして、音韻系に問題のある読み障害児では、平成23年度の語彙習得のためのプログラムに続き、文章読解力向上のためのプログラムを実施したが、提示される文章の題材及び提示方法において、その効果が大きく左右される結果が認められた。文章読解の困難さを生じさせているメカニズムに応じた指導方法に加え、学習スタイル等の影響が極めて大きいことが示されたケースであった。 加えて、当初の読み障害に関する調査を実施してきた中で、読みの問題に関連して、書字表出の問題を持つ事例が多く観察された。そこで読み能力に関するデータの補足収集に併せて、特に漢字の書字表出の調査を実施し、読み障害との関連について考察することとした。小学校通常学級に在籍する400余名に対して書字スクリーニング検査を実施し、その中で書字表出に困難さが認められた児童を対象に個別式知能検査(WISC-III及びIV)を実施し、認知プロフィールと書字における誤りのパターンとの関連について分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の読み障害に関する調査を実施してきた中で、読みの問題に関連して、書字表出の問題を持つ事例が多く観察された。 そこで読み能力に関するデータの補足収集に併せて、特に漢字の書字表出の調査を実施し、読み障害との関連について考察することとした。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究の取りまとめを行うとともに、追加事項としてケース研究の一部継続及び、読み能力に関するデータの補足収集に併せて、漢字の書字表出の調査を実施した結果から、読み障害との関連について検討することを予定している。
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