研究概要 |
特別支援学校のアレルギー疾患に関する本調査のパイロット調査として実施した全国特別支援学校の約1割に当たる岐阜県,愛知県,三重県,福井県,石川県,富山県6県の特別支援学校109校を対象とした「特別支援学校におけるアレルギー疾患」に関する質問紙調査に回答のあった85校について,特別支援学校に在籍する幼児児童生徒のアレルギー疾患の実態とその対応状況を検討した。その結果,食物アレルギー,アナフィラキシー,アレルギー性鼻炎,アトピー性皮膚炎,アレルギー性結膜炎の5疾患は特別支援学校が特別支援学校が小・中・高等学校よりも高率であるなどの状況が把握できた。また,ぜん息,アレルギー性鼻炎,アレルギー性結膜炎,食物アレルギーのいずれも男女比は特別支援学校と小・中・高等学校でまったく同一であった。しかし,アナフィラキシーは特別支援学校において男子が女子の4.3倍であった。自然歴については,ぜん息は,特別支援学校も小・中・高等学校も共に学年進行に伴って,有病率が低下していく傾向が見られた。アトピー性皮膚炎も,特別支援学校,小・中・高等学校も共に学年進行に伴って,有病率が低下していく傾向が見られた。食物アレルギーも特別支援学校も小・中・高等学校も共に学年進行に伴って,有病率が低下していく傾向が見られた。対応については,実態把握が特別支援学校よりも小・中・高校が行われている状況や,治療薬の取り合いの確認は小・中・高校よりも特別支援学校が行われている状況であった。この結果等を踏まえ,全国の特別支援学校を対象としたアレルギー疾患に関する実態調査を行った。
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