研究概要 |
我が国の国立・公立・私立の全特別支援学校1,131校(分校・分教室含む)を対象とし,特別支援学校に在籍する幼児児童生徒のアレルギー疾患の実態とその対応状況を明らかにすることを目的とした「特別支援学校におけるアレルギー疾患」に関する質問紙調査を郵送法にて行った。その結果,500校(44.2%)から回答を得た。その500校の在籍幼児児童生徒総数は49,937名であり,男子32,303名,女17,614名であった。 それらの回答を集計し,文部科学省が2004年から2005年にわたって全国の公立の小学校・中学校・高等学校・中等教育学校(対象学校総数:36,830校)を対象とした実態調査の結果と比較検討をした。 その結果,調査した6疾患,アナフィラキシー1.9倍,食物アレルギー1.7倍,アレルギー性鼻炎1.3倍,アレルギー性結膜炎1.2倍,アトピー性皮膚炎1.1倍,ぜん息1.1倍とすべてにおいて,特別支援学校が小・中・高等学校より罹患率が高率であった。また,アレルギー疾患の実態把握の実施は,ぜん息97.4%,アトピー性皮膚炎96.7%,食物アレルギー98.6%,アナフィラキシー97.8%と9割を超える実施体制である小・中・高等学校よりも特別支援学校が概ね2割低率であった。学校への持参薬の確認は,アレルギー性鼻炎・結膜炎61.5%,アトピー性皮膚炎58.6%と5割を越える取り合い確認がされている特別支援学校が小・中・高等学校よりも概ね1割高率であった。
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