研究課題/領域番号 |
21531025
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
江田 裕介 和歌山大学, 教育学部, 教授 (00304171)
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研究分担者 |
小野 次朗 和歌山大学, 教育学部, 教授 (20214182)
武田 鉄郎 和歌山大学, 教育学部, 教授 (50280574)
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キーワード | 情報モラル / 携帯電話 / 特別支援教育 / 発達障害 / 特別支援学校 / 教員研修 |
研究概要 |
障害を有する児童生徒の携帯電話の利用や、情報モラル教育の現状を明らかにするため、全国の特別支援学校387校を対象に実態調査を行い、248校(540学部)から回答を得た(回収率64。1%)。携帯電話の所有率を障害別に見ると、聴覚障害の高等部生徒が88.3%と最も高かった。高等部生徒の所有率は、知的障害36.5%、肢体不自由23.0%、病弱63。8%、視覚障害84.3%と領域により差があるものの、小学部や中学部と比べ大きく上昇していた。聴覚障害の生徒は中学部でも77.5%と高い比率を示した。知的障害生徒の所有率は高等部で急激に高まり、軽度障害や発達障害の生徒が入学する状況と対応していた。最近は通学途上で携帯電話のカメラ撮影の問題が浮上している。学校の情報モラル教育は、聴覚障害の領域で積極的な取り組みが見られたが、知的障害の領域では「特に指導していない」という回答が他の障害の領域より多かった。携帯電話の利用にルールを定めている学校は11.9%で、約8割の学校は家庭の判断に任せていた。情報モラルに関する教員研修は51.9%で行われ、障害の領域や学部で差は見られなかった。PTA研修など保護者と連携した取り組みは、聴覚障害の高等部で40.0%が行っているが、全体では8.0%に留まった。 特別支援学校の教員(7校)と保護者(11校)を対象に情報モラルに関する意識調査を行った。保護者の意識は子どもの障害の種類と程度、年齢により差が見られた。教員は、携帯電話を通学時の連絡手段として、インターネットを学習手段と考えているが、コミュニケーション・ツールして子どもの利用が急速に拡大している実態への意識が希薄で、情報モラル教育の必要性の認識が低かった。 計15回に渡り情報モラル教育研究協議会を開催し、教育現場と連携して授業研究や教材開発を行った。 その成果をまとめて指導者のためのテキストを刊行し、全国の学校や教育機関約500箇所へ配布した。
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