研究概要 |
21年度は研究仮説の提示、および資料の発掘・整理などの基礎作業を実施した。 なお、資料調査・研究対象の時期は、感化教育が進展し不良・浮浪少年中の障害児問題が顕在化・展開した1910年代から1940年代半ば(主として終戦まで)としている。 1, 感化法改正、少年教護法成立の過程(帝国議会での審議を含む)における論点の整理 本研究の分析の枠組みを定めるための基礎作業として、少年教護法成立過程の分析に取り組んだ。具体的には、各施設における障害児への特別な処遇の確立については、児童鑑別による分類処遇など、法律の規定(少年教護院内に児童鑑別機関の任意設置が盛り込まれた少年教護法)に影響を受けたことをふまえ、感化法制定(1900年)~少年教護法の成立(1933年)までの論点整理を行った。 2, 大阪修徳学院、京都府立斯陽学校、兵庫県立明石学園所蔵の資料調査 入所児童の実態を把握する上で、施設要覧などの施設刊行物をはじめ関連する資料の豊富な3施設に加えて、京都府立総合資料館などの資料館・図書館に所蔵されている、各施設に関する資料をもとに、入所児童記録の実態・入所経緯・退院の経緯・予後の整理を行った。
|