本研究は、鳥取県における学齢期障がい児の放課後生活の実態について明らかにするとともに、放課後の生活支援の拠点の一つとしての学童保育における障がい児支援のあり方について、アンケート調査、インタビュー調査、及び縦断的事例研究を通して実証的に検討することを目的とした。今年度は、学齢期障がい児の放課後生活と家族の就労を支援する拠点のひとつとして大きな役割を担っている学童保育(放課後児童クラブ)における障がい児の受け入れに関する調査を実施した。指導員へのインタビュー調査から得られた質的データを基に作成した質問紙を、県内の全学童保育所を対象に送付した。調査の観点の1つは、障がい児の受け入れ状況について(受け入れの判定基準、実施要綱や受け入れ定員の有無、実際にどのような障がい児を何人、何年生まで受け入れているか、障がい児保育を行う指導員の体制、保育を実践するうえでの指導員の具体的な困り感など)の実態を明らかにすることであった。また、もう1つの観点は、実態を踏まえ、今後、学童保育において障がい児保育を拡充するために指導員が必要と考えている方策や、障がい児にとって学童保育がどのような役割を果たしていると考えるかといった指導員の役割観等について明らかにすることであった。これらが、運営主体や職員体制、施設環境といった要因とどのように関連するかといった観点も含め、分析を進めているところである。また、縦断的事例検討からは、障がい児の放課後生活を支援してきた学童保育が、小学校から中学校への移行をどのようにサポートするかといった課題が明らかになった。
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