研究概要 |
課題1:ソーシャルスキル評価尺度の開発と適用による検討 これまで作成した他者評価による「ソーシャルスキル支援評価尺度」に加えて、発達障害児自身の自己評価による、集団活動・対人場面での感情認知の評価について検討を進めてきた。マトソン年少者社会的スキル尺度自己評価版(荒川ら,1999)、児童用メンタルヘルス・チェックリスト(岡安ら,1998)、友人の困難場面での対処についての自由記述(Attwood, 2004)を組み合わせ、多面的な評価バッテリーを作成する予定である。作成した評価バッテリーは、支援プログラムの評価に適応する。 課題2:発達障害児の特性を捉えたソーシャルスキル支援プログラムの作成 「怒り」の理解とコントロールに焦点を当てた支援プログラムに引き続き、Atwood (2004)、Gray (2003)等を参考にしながら、「不安」の理解とコントロール、さらに、対人的困難場面での身の処し方に焦点をあてた支援プログラムを開発し実施を試みた。不安感情の理解と尺度評定化、不安に対する行動的言語的対処、プラス思考への転換および、対人困難場面での対処と困難状況の報告行動の形成等の内容を含むものである。 課題3:支援プログラムの実証研究およびソーシャルスキル支援ツールの開発 発達障害児の小集団あるいは個別の指導場面を設定して、開発した支援プログラムの実証実践を行ってきた。その指導で使用するソーシャルスキル支援ツールの開発をすすめている。感情について理解する情動教育のためのワークシート、うれしい日記、感情のコントロール方法を学ぶためのキャラクターカード、ゲームボード等である。さらに教員等へのソーシャルスキル研修プログラムを同時に開発し提供することをめざしている。
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