• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

読み障害児の認知神経心理学的評価法の実践的活用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21531030
研究機関北里大学

研究代表者

石坂 郁代  北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (70333515)

研究分担者 柴 玲子  北里大学, 医療衛生学部, 助教 (70406908)
大平 壇  福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (30322283)
キーワード読み障害(dyslexia) / 評価 / 認知神経心理学
研究概要

今年度は,3年間の研究の最終年ではあるが,研究2の事例が音韻的側面の問題が強い事例であったため,比較検討対象のためにも視覚的側面の問題のある事例が必要と考え,引き続き研究2を遂行した。具体的内容としては,福井市平谷こども発達クリニックにおいて,学習障害の診断を受けた一児童に対して,事例研究として,読みの包括的な評価(音韻的側面の問題に加えて視覚的認知の側面,音読の速度等の測定など)を行い,その障害機序について検討した。その結果,現在明らかに陽性症状として認められない視覚的認知の問題が明らかになった。これは認知神経心理学的モデルにあてはめれば,視覚的分析の部分の問題であり,文字-音韻の結びつき以外にも音読の苦手さの重要な要因になっていると考えられた。本症例の場合は知的障害や広汎性発達障害が認められないため,得られた結果は発達性読み障害の結果であると言える。今後は主としてクリニックにおいて言語聴覚士が読みの指導を継続的に行う予定なので,その指導についてスーパーバイズするとともに,長期的フォローを行っていく予定である。この評価結果は,7月の発達性dyslexia研究会で発表の予定である。
昨年度の課題として,学校とのより緊密な連携,および担任や特別支援教育担当の教員に,読み障害についての情報を提供して,学校における指導に成果を生かしていくことを挙げた。この点については,川崎市の小学校の特別支援教室および通級指導教室を月1度巡回するとともに,1年生の4クラスについて重点的に授業の中で子どもの様子を観察した。1年生の1学期以降,読みの苦手な子どもを継続的に観察し,担任に指導するとともに,年度末の校内特別支援教育研究会で読み障害についての啓発を行った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 発達性読字障害の評価と指導の現状と課題2011

    • 著者名/発表者名
      石坂郁代
    • 雑誌名

      特殊教育学研究

      巻: 49(4) ページ: 405-414

    • 査読あり
  • [学会発表] 発達性dyslexia児の読み指導の長期的経過から得られた一示唆2011

    • 著者名/発表者名
      石坂郁代・柴玲子
    • 学会等名
      第37回日本コミュニケーション障害学会学術講演会
    • 発表場所
      JA長野県ビル(長野)
    • 年月日
      2011-05-28
  • [図書] 特別支援教育における言語・コミュニケーション・読み書きに困難がある子どもの理解と支援2011

    • 著者名/発表者名
      石坂郁代(分担執筆)
    • 総ページ数
      171-177
    • 出版者
      学苑社

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi