研究課題/領域番号 |
21531033
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
緒方 茂樹 琉球大学, 教育学部, 教授 (30261184)
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キーワード | 特別支援教育 / ネットワークシステム / 個人シート / 離島 / ライフサイクル |
研究概要 |
本研究は島嶼圏を抱える沖縄県の地域的な特殊性に鑑み、離島地域である宮古島の地域性を最大限に活かした今後の特別支援教育の在り方を、地域ネットワーク作りを通じて考えていこうとするものである。まず様々な面で「リソース不足」の島嶼地域では格段の工夫が要求される。このことを踏まえて、本研究ではネットワークシステムを「横断型」と「縦断型」に分けることで、リソース面の課題を考慮しながら段階的に充実を図ろうとしている。 今年度も引き続き「えいぶるノート」について、保護者及び関係者とも協力しながら形式・内容の吟味と運用上の課題を探っている。これまでの成果として、プロトタイプの作成はほぼ終了したことから、御年度は沖縄県教育委員会が進める「教材教具などの電子化の試み」に「えいぶるノート」も組み込むこととなり、研究協力を依頼された。電子化の作業においては、iPad,iPhone,iPad touchへの「えいぶるノート」の移植を念頭に置いて、専門業者との協議を重ね、必要に応じて仕様等におけるアドバイスを行った。 「えいぶるノート」の試用と平行して、これまで行ってきた「横断型ネットワークシステム」のさらなる充実を図るために、定期的な教育相談会と学校・園支援を継続している。特に昨年度から進めている、保育所と幼稚園との連携を深めることを目的として、巡回保育所の校区にある幼稚園についても積極的に巡回して、相談、支援をしながら「えいぶるノート」の紹介を進めた。その他、宮古島市児童家庭課と連携して、公立保育所における障害児保育充実のために保育士を対象としたスキルアップのための研修会を合計7回行った。 今年度も、官古島在住の専門スタッフを育成するために、発達障害児(者)支援室の専門相談員を内地の研修会へ派遣し、さらなる資質向上を図った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究全体の流れとしてはほぼ計画通りに進展している。むしろ電子化の作業については予測より早くなったといえる。やや遅れがみられる部分としては「えいぶるノート」の試用例を増やすこと、幼稚園に対する園支援のさらなる充実の二点である。
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今後の研究の推進方策 |
「えいぶるノート」のプロトタイプ作成と電子化の作業を受けて、来年度はかに試用例を増やしていけるかについて検討を加えていく予定である。巡回学校、園支援を引き続き継続しながら、これらの作業を進めていく予定である。 特に児童家庭課と連携して今年度スタートした障害児保育に関する保育士の資質向上については、来年度も引き続き継続予定である。昨年度行った「スキルアップ研修会」を対象者を変えて継続することに加えて、今年度「スキルアップ研修」を受けた保育士にはさらに「フォローアップ研修」を実施してより専門性を高める予定である。
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