研究課題/領域番号 |
21531036
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
宮本 昌子 目白大学, 保健医療学部, 准教授 (70412327)
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研究分担者 |
安井 宏 目白大学, 保健医療学部, 講師 (70572379)
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キーワード | 発達障害 / キャリア教育 / プログラム開発 / 就労支援 / 発達段階 / 高校段階 / 自己理解 |
研究概要 |
本研究の目的は、発達障害のある者の学校教育から就労への移行を支援する、障害特性を踏まえた体系的なキャリア教育プログラムを開発することである。そのために本年度は、中学校段階用キャリア教育プログラムの開発・評価を行った。プログラムは、大学学園祭の一角で「カフェ」を開くために、7~12月の期間で計8回の指導日が設定された。第7回目が「カフェ」の本番、その前後が「カフェの準備」と「まとめ」で構成された。対象児7名において、「勤労観・職業観」「作業面」「対人面」に関する評価を「カフェ」本番の前後で行い、本番の場面を記録した映像をもとに、「作業面」「対人面」の評価を行った(結果は分析中)。対人面の評価からは、本来、言語能力の高い者が本番での「対人面」の各項目において得点が高い得点を示さず、「カフェ」本番での対人面のスキルの高さは他の要因が関わると推測される。作業面においては、練習時の評価得点が高かった者で、本番の得点が低い場合があり、本番での自己の感情のコントロールや情報を取捨選択する能力が、遂行能力に影響することが推測される。また、保護者を対象とした調査結果から、プログラムの内容に即した自己理解の促進はみられたが、障害理解と結びつけることが困難であることが明らかになり、小学校段階と同様の課題となった。以上の結果を踏まえ、今後は中学校段階のプログラムの問題点を抽出し、修正案を考案し、精度を高めたいと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
21年度は就労に関するニーズの把握などに関する調査研究、22年度に小学校段階のプログラムの実施、23年度に中学校段階のプログラムの実施を行い、予定通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、高校段階のプログラムの作成と実施を行う。キャリア教育を専門領域とする分担研究者が平成23年度から外れているため、就労に向けた適正などの評価を行う人材を欠いている。高校段階では、就職活動や進路の選択の時期が迫っているため、対象児の職業的な適性を把握することが重要になる。小児科医が分担研究者に加わり、就労に向けた親のニーズを把握すること、障害特性を考慮した職業選択のアドバイスを保護者に行う等、プログラムに具体的な職業教育を盛り込むことを考えている。
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