研究課題/領域番号 |
21531038
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研究機関 | 四天王寺大学 |
研究代表者 |
八木 成和 四天王寺大学, 教育学部, 准教授 (90253244)
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研究分担者 |
楠本 久美子 四天王寺大学, 教育学部, 教授 (00300294)
広瀬 香織 四天王寺大学, 人文社会学部, 専任講師 (00340836)
川下 維信 四天王寺大学, 人文社会学部, 専任講師 (70330511)
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キーワード | 教育系心理学 / 特別支援教育 |
研究概要 |
本研究は、当該年度において、第一に、在学する発達障害のある学生やその疑いのある学生の実態調査と教育職員の指導の困難さに関する調査を実施することにより基礎資料を収集すること、第二に、この結果をもとにして、発達障害のある学生やその疑いのある学生の支援を進める方法として発達障害の特徴とその支援方法に関する理解と支援システムを構築することを目的としていた。そのための具体的な研究実施計画としては、大きく学生および教員への実態調査の実施、啓蒙用のパンフレットの作成および配布、支援を行うための具体的な手続き等のシステムの構築の3点であった。 学生への実態調査では、教育学部の学生を対象に、アスペルガー症候群およびADHDの困り感と本学特有の困り感について調査を行った。学生の支援ニーズは、発達障害に起因するものなのかどうかの見極めが難しく、また、実習や就職活動時に困り感が顕在化することも示唆された。次に、調査結果や教員への聞き取り調査から啓蒙用のパンフレットを作成し、研修会において配布した。さらに、具体的な支援手続きおよび手順を策定し、支援システムの構築を行った。 今後は、当該学生への直接的な支援、および当該学生と関わりのある教職員および学生も視野に入れた支援体制が機能するための研究が必要である。加えて、具体的な支援の場において合理的な配慮に基づく支援方法について教職員間で共通理解を図る必要がある。このとき、当該学生に関する情報の共有をどの程度まで行うのかが問題となった。さらに、保護者や高校との連携のための枠組み作りが必要であると思われた。以上のような現状の中で今後も発達障害のある学生やその疑いのある学生への支援方法を検討し続けることは重要な課題である。
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