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2011 年度 実績報告書

有限群におけるカルタン行列の固有値とブロックの森田同値性

研究課題

研究課題/領域番号 21540009
研究機関東京農工大学

研究代表者

和田 倶幸  東京農工大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40003008)

キーワード対称群 / 2-ブロック / 既約Brauer指標 / 高さ / カルタン行列 / 固有値 / 不足群 / 固有値の整数性
研究概要

有限群をGとし,標数p>0の代数的閉体をFとする.群環FGのブロックをBとし,その不足群をDとする.
Bのカルタン行列をCとし,その最大固有値をρ=ρ(B)とする.
北海道教育大学旭川校の奥山哲郎との共同研究により,既約Brauer指標の次数の2乗和に関するある条件(*)を満たすブロックは,Cのある固有値λがDの位数|D|と同じ(π)-部分をもつことが証明できた.条件(*)はp-可解群のp-ブロックでは成立するが,一般の群では成立しない.その反例を,東京医科歯科大学教養部の清田正夫と見つけることができた.その例は,p>3の場合で,p=2,3の場合には見つからなかった.
そこで,p=2のとき,n次対称群S_nの2-ブロックBでは,(*)は成り立つだろうか?この問題が出発点となった.
n=17まで計算した結果,Bには高さ0の既約Brauer指標が,一つしかなく,その結果(*)が自動的に成り立っている.
当初このようなことは知られているのではないかと思った.しかし文献を探しても分からず,対称群の既約Brauer指標の次数を決めることは,きわめて困難であり,そのこと自体が未解決問題であると知った.約一年をかけ,奥山哲郎の証明の方針に基づいて,和田と清田が検証した結果,次の定理を得るに至った.定理.任意の次数nの対称群S_nの任意の2-ブロックBにおいて,高さ0の既約Brauer指標はただ一つしかない.
どの有限群のp-ブロックも高さ0の既約Brauer指標を少なくとも一つは持っているが,一般には一つだけとは限らない.この定理は,対称群において,奇数次数の既約2-Brauer指標は自明なものしかない,というFongとJamesの定理を一般化したものになる.現在この論文をJournal of Algebraに投稿中であるが,証明が難解とみえ,約一年がたつがまだ査読中である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 対称群の2-ブロックにおける高さOの既約Brauer指標について2012

    • 著者名/発表者名
      清田正夫・奥山哲郎・和田倶幸
    • 雑誌名

      数理解析研究所講究録

      巻: (印刷中)(掲載決定)

  • [雑誌論文] The heights of irreducible Brauer characters in 2-blocks of the symmetric groups2011

    • 著者名/発表者名
      清田正夫・奥山哲郎・和田倶幸
    • 雑誌名

      第28回代数的組み合わせ論シンポジウム報告集

      巻: 28 ページ: 40,917

  • [学会発表] The heights of irreducible Brauer characters in 2-blocks of the symmetric groups2011

    • 著者名/発表者名
      和田倶幸
    • 学会等名
      第28回代数的組み合わせ論シンポジウム
    • 発表場所
      大分大学工学部
    • 年月日
      2011-06-20
  • [備考]

    • URL

      http://www.tuat.ac.jp./~wada

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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