研究概要 |
準周期構造のスペクトルを調べるため、自己アファインなタイル張りの平行移動に関する軌道閉包のなす力学系が強エルゴード的な場合を考察し、実際に与えられたタイル張りのデータ(拡大的行列と平行移動の集合)から純離散性を判定するための実際的なアルゴリズムを作成した(J.Y.Leeとの共同研究)。この問題にはフラクタルの境界の次元の研究が深く関係している。 自己誘導構造が強制するフラクタルのさまざまなdilationの定数がピゾ数となる。これと関連した図形の分割問題を岡崎,J.Luo, J.Thuswaldner, W.Steiner等とし考察た。臨界的なパラメータにピゾ数が現れるのはとても印象的と思われる。 タイル張りの境界の記述に関してはG.Dorfer, R.Winkler, J.Thuswaldnerとともにその組み合わせ論的、群論的構造を研究した。またB.Loridantとともに、フラクタルタイルの境界の標準的なパラメータ付けという問題に着手した。Dumont-Thomas数系と接触グラフを用いて、多くのクラスに通用するパラメータ付けに成功した。
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