研究課題
● アソシエーション・スキームの圏を定義し、その基本的な性質を調べた。特に単型、全型、双型などの圏論的なものをこれまでに知られている概念で特徴付けた。これによって、これまでのいくつかの概念の定義が圏論的に定義しなおされ、理論の見通しが良くなった。(出版済み)● アソシエーション・スキームのレス積について、いくつかの特別な場合にはそのタウリガー代数の構造が、元のアソシエーション・スキームの隣接代数とタウリガー代数の構造を用いて記述できることを示した。これはいくつかの知られている結果を含む一般的な結果となっている。(査読中)● アソシエーション・スキームの任意の表現が、ある剰余スキームの忠実な表現を導くことを示した。表現が既約であるならば、その剰余スキームに、本質的に巡回群となる閉部分集合が定まる。正規とは限らない閉部分集合による剰余スキームを考える必要があり、証明は易しいが意義のある結果である。これは有限群の表現に対して知られる結果の一般化となっている。(査読中)● アソシエーション・スキームとその融合の表現の関係を調べた。フロベニウス相互律と重複度に関する結果が得られている。特に代数的自己同型によって得られる融合の場合には、有限群の構造を利用することができ、有限群の表現におけるクリフォード理論の双対に相当する結果が得られることが示された。これまで融合の表現については可換な場合を除いて考えられてきておらず、新しい視点からの研究となっている。(投稿準備中)
すべて 2010
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Journal of Combinatorial Theory, Series A
巻: 117 ページ: 1207-1217