研究概要 |
2010年度は,アメリカ合衆国オースチンで開催されたSIAM Conference on Discrete Mathematics (DM10)に参加した。この研究集会ではAlgebraic Combinatoricsの特別セッションがあり、R. Stanley等の講演があり、たいへん有意義だった。また7月には沖縄のカルチャーリゾートフェストーネで開かれた数理解析研究所の合宿型セミナー「Diagram Algebras and Related Topics」において、名古屋大学の岡田氏のd-complete posetの2変数型フック公式の予想について、Birdの場合の証明について研究発表を行った6これは、2変数型フック公式の予想式を、マクドナルド多項式のピエリ係数で書き直し、最終的にbasic hypergeometric seriesのGasperの公式に帰着するというものであった。本研究のテーマである数え上げ問題とマクドナルド多項式などの対称関数・Askey-Wilson多項式など直交多項式を結び付ける興味深い問題であり、今後も引き続き取り組んでいきたい。7月には、サンフランシスコ州立大学で開かれたFormal power series & algebraic combinatorics 2010に参加し、内外の研究者と交流した。9月にはUniversite Claude Bernard Lyon 1のJiang Zeng氏および和歌山大学の田川氏と共同研究を行い、共著論文「Pfaffian decomposition and a Pfaffian analogueof q-Catalan Hankel determinants」を仕上げ、現在Combin.Theory Ser.Aに投稿中である。
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