研究概要 |
1.本研究の目的は,「保型L-関数の局所理論の再構築」である。即ち,保型L-関数に対し,その分岐L-因子/ε-因子を,数論の局所的大局的問題への応用に耐えうるレヴェルにまで明示的に研究する。以下の(A)(B)を比較的小さい群U(3)に対して,研究実施する計画であった。 (A)積分表示の局所関数等式からε-因子と"解析的導手"を取り出し, (B)表現の分岐度合を計る"代数的導手"との関係を解明する。 2.一月数理研での研究集会に於いて,U(3)のH-periodの観点からこれまで得られた成果を報告講演した。また,相対跡公式アプローチと我々の方法積分表示を比較検討するために,三月岡山大学にてWork Shopを開催し,二方法の利点/不利点の明確化と今後の問題について討議した。 (A)については,無限素点上での対応する結果:Gelbart-PS積分の実局所new vectorを同定した。 U(3)が不分岐な場合に,宮内は解析的導手を取り出すことに成功し,研究集会で報告した。 (B)については,宮内は昨年までの結果を,U(3)が分岐群の場合にも,ほぼ拡張した。 3.宮内は,彼の"代数的導手"と"解析的導手"が一致することを不分岐U(3)に対して示した。安田は,Hecke固有値による表示を論文公表した。森山は,GSp(4)のBessel-Whittaker模型についての結果を論文公表した。
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