研究概要 |
群Zp^2×Zpにおける(p,p)-型半正則相対差集合(以下(p,p)-RDSとも表す)は1995年にMa-Pottにより完全分類されたが群がZp×Zp×Zpの場合は未解決として残っている.23年度の成果としてははこの(p,p)-型RDSで既知のもの(hyperplane型とproduct型)を特徴付ける結果を得た.すなわち,既知の(p,p)-型RDSDはZpからZpへの関数r(x),s(x)を用いてZp×Zp×ZpでD={(x,y,ay^2+r(x)y+s(x)):x,y∈Zp}の形に表されるが,逆にこの形であればr(x),s(x)が特別な形となり,既知のものに限ることを次で示した. 定理.r(x),s(x)をZpからZpへの関数とする.D={(x,y,ay^2+r(x)y+s(x)):x,y Zp}がZp×Zp×Zpでの(p,p)-型半正則相対差集合ならば次の(i)(ii)のいずれかが成り立つ. (i)r(x)は置換多項式でDはhyperplane型又は(ii)deg(r(x))<=1かつdeg(s(x))=2でDはproduct型 この結果はZp×Zp×Zpにおける(p,p)-型RDSの完全分類に一歩近づいたものと言ってよいと思う. もう1つの研究成果はRDSによる一般アダマール行列の構成である.(u,λ)-型RDSが存在すれば一般アダマール行列GH(u,λ)が存在するので一般アダマール行列は(u,λ)-型RDSの研究に深く関係している.Nを群,Uをその正規部分群とするときNの元を成分にもつuλ次正方行列H=(hij)がQGH(u,λ)行列であることを総和Σ1≦m≦uλ(him)(hjm)^(-1)がi≠jならばN/Uの剰余類達の和集合で表されることであるとしてQGH行列(擬一般アダマール行列)を導入した.これに関してRDSとの関連で次の結果を得た. 定理.Gを位数u^2μの群,Uを位数uの正規部分群とする.H=(hij)をG/Uに関するQGH(u,λ)行列で,D1,..Dk(k=uλ)をGにおけるUに関する(u,μ)-型半正則相対差集合とするとこれにより変形一般アダマール行列GH(uμ,u,uλμ)が構成できる.
|