研究概要 |
有限群Gがベキ零群の場合に、G^nからGへの写像f(x)を考える。ここで、xはG^nの元とする。変数x=(x_1,..x_n)のうち、1つの変数の次数が±1でその他がOであるような関数を考える。ここで、f(x)におけるx_iの次数とは、f(x)に現れるx_iのベキの総和である。このとき、各Gの元aに対してf(x)=aとなるようなG^nの元xの総数(f(x)=aの解の総数)はGの位数に等しいことを示した。これはこれまでに得られていた結果の一般化になっている。 有限群G上の写像f(x,y)=y^{-1}[x,y]^{[x^2,y]}について、アイザックスやソロモンの定理を用いると、様々な別の写像に変換することができることが分かった。その際、各変数の次数も変更される。また、群Gが偶数位数であるための条件として、f(x,y)=1となるy≠1があることという結果を得ていたが、これを単位元以外の元について拡張した。 個々の単純群の性質を調べるという観点から、特にラドヴァリス群について研究を行った。ラドヴァリス群の2元体上の表現から、9元体上3次のユニタリ群の作用するデザインを構成し、それらを用いてラドヴァリス群が作用するグラフの再構成を得た。さらにそれらとラドヴァリス群の作用する格子との関係を考察した。
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