研究概要 |
1、幾何的距離正則グラフの研究で最初に解決するべき問題は,Regular Near PolygonでQuadを持つものの分類であるが,この問題の主要部分が,有限幾何の研究者によって解決されたとのニュースを得たため,論文が発表されるまでは,静観することとした。(現時点ではまだ発表されていない。) 2、1に関連して完全正則符合の研究が不可欠であるが,その道具としてのTerwilliger代数の研究を,以前,符合に対して定義したよりさらに,拡張し,Q-多項式型の研究にも適用できる形にし,preprintを著した。いずれ,講義録の一部として発表したいと考えている。完全正則符合に関しては,正則グラフの領域まで拡張することが,有限幾何への応用としても重要であることがわかり,De Bruynとの共著論文とした。 3、Geometric Girthの上限に関する予想の解決に関しては直接の進展は見られなかったが,この問題を解決するために,Terwilliger代数の加群を調べることが,どのように関わってくるかが明らかとなってきた。Terwillliger-Ito-Nomuraにより,TD-pairについては,画期的な進展が見られたことを踏まえ,一般の距離正則グラフのTerwillier代数の表現についても,進展が期待できる。 4、すべてのTerwilliger加群がtightであるような距離正則グラフの分類を開始し,大きな進展を得た。これと関連した,表現グラフの研究と共に,2010年夏ごろには,論文が完成したいと考えている。 5、中国,韓国,台湾,アメリカ合衆国,ベルギー,英国,スロベニアの研究者との協力関係が進展し,近年の代数的組合せ論の進展を深く理解することができた。
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