研究概要 |
1.表現グラフの一部がパスであるという条件から,全体がパス(Q-多項式型)となる条件を導き出す問題の解決を行った。適切な予想があり,それを解決することが中心課題である。 (a)最も基本的なOrstタイプについては,ある条件のもとですでに,22年度に結果を得ていた。その条件を外すことを検討したができなかった。次年度は細部をつめて条件を外すことができれば,論文として発表したい。 (b)loopに関する条件をつけた問題(tight case)は,非原始的な場合を除き,22年度中に,基本的に解決できている。ほかの設定のより大きな問題との関連を考察した。次年度は,他の設定との関連が明確になってもならなくても,論文として公表したい。 2.Terwilliger代数のendpoint2以下の加群がtightまたはthinとなる場合を考察した。特に,直径が3のRNPの場合に完全に決定する重要性にたどり着いた。 3.Girthが大きな距離正則グラフの決定は,90年代以降進展していないが,2とも関連して,Terwilliger加群の重複度などを決定する方法を考察した。 4.ノート型のコンピュータを更新し,Open Sourceの数式処理ソフトSageによる計算を開始した。今までのGapおよびMagmaの基本的なプログラムを少しずつ,Sageに移行し始めた。 5.研究課題に関連した4件の査読,海外の研究費申請の査読1件を行った。 6.「有限体とそれに関連する代数的組合せ論」などにおいて最先端の研究について意見を交換した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究自体は広がり,ある程度進んでいるが,すでに,結果をえているものについても,出版をする事ができなかった。完成度の高さをもとめるあまり,結果の公表まで行きつけなかった点を反省している。
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今後の研究の推進方策 |
すでにある程度得ている結果のうち,研究実績の概要1(b)でのべた,loopについての条件をつけた結果は,今年度論文にして発表することを目指す。すでに,他の結果とあわせて,かなり長いpreprintにはなっているが,この結果の部分だけを切り分けることで出版したいと思う。 4月から日本学術振興会の特別研究員の受け入れ研究者となっており,共同での研究も積極的に行っていきたい。
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