研究概要 |
2009年5月にGhent大学にて行われた集会「Galois Geometries and Applications」において,研究の目的(2)「quadratic APN関数の与えるd-双対超卵形に対する被覆理論の活用により,このような関数の同型類の個数に対する良い評価式を得る。」に関する代表者の研究を発表し,非線形関数に対する幾何構造について,集会の参加者であったA.Pott氏(Univ.Magdeburg, Germany), Y.Edel氏(Ghent Univ.)と討議した.代表者の立場であるalgebraic Combinatoricsからの見地と,彼らのdifference setからのアプローチの比較が主内容であった.11月にはEdel氏を招き,この比較を更に進めると共に,代表者が提唱するquadratic APN関数を定める幾何構造を分類するにあたって,どの様に計算機を援用し得るか等について議論した.同月に信州大学で行われた京大数理研研究集会において代表者とEdel氏が,それぞれの立場から非線形関数に対する取組み方を提案する講演を行った.代表者の方法によりAPN関数から高次元超卵形(Huybrechts超卵形で被覆される)が構成できるが、それをDel-Fra Bratti超卵形で被覆される超卵形に拡張する構成が,谷口浩朗氏(高松高専)により見出されたが,「有限幾何とその周辺」ゼミなどを通じてこの構成について氏と検討した.
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